みだらな天使
甘い時間
窓から差し込む朝日の眩しさに目を覚ます。




天井の高さに、次第に意識を取り戻す。





極上の部屋。




極上のベッド。





そして隣には…極上の男。




朔はまだ眠ったままで、その無防備な寝顔に思わずクスリと笑みをこぼす。




「ん…」




そんな私の笑みに気づいたのか、朔が瞼をゆっくりと開けた。




「…おはよ、朔。」




ゆっくりと視線が合う。




すると、朔はおはようを言う代わりに、私の瞼にキスをした。





「…よく眠れた?」




朔の言葉に、少し驚いた私。




私があまり眠れていないことに気づいてた?





いつも母に捨てられたあの日の悪夢を見続けていて、眠りが浅いことを気づいてたんだ。




「うん…眠れたよ。」



そう言葉にすると、何だかとても甘えたくなってしまって…




素っ裸のまま、ベッドの中で朔にくっつく。




「なに、どうした?」




「…こんなの、私らしくないってわかってるんだけど……」




本当、私らしくない。



人に甘えるなんて。




だけど、朔は私をギュッと抱きしめながら言った。





「奏らしさ?それも大事かもしれないけど、俺は俺だけに見せてくれる顔があれば、それでいいかな。」




朔の包み込むような優しさにじーんと来てしまう。


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