心と体の距離
これから


そう言って、ハッとする。

「ごめん、結婚しないでって
あの、そう言う意味じゃないの!
ごめんなさい!あの、忘れて!
ちゃんとおめでとうって言うから!
わたし、笠原が決めた「もういいから」


そう言って笠原に抱きしめられた。

「ねえ、俺誰と結婚するの?」

予想外の言葉に固まるわたし。

「それ、わたしに言わすの?

するんでしょ?岸川さんと。」

「は?何それ?」

「だってみんな言ってたもん!
二人がお見合いしてたって!!」

続けて言った。
「今日も岸川さんが
寿退社するって言ってたもん!」


「岸川さんの相手は俺じゃないよ。
俺は結婚式に行ってて
岸川さんに会ったの。
向こう着物だし、俺もスーツだったから
そう見えただけじゃない?

前に着物の柄と色も相談受けてたし
会場が同じところだから
会ったら見せるって言ってきたんだよ。」

「じゃあ岸川さんと結婚しないんだね?」

「しないってば、
ほんと早とちりだわ。」

いつの間にか涙は止まっていた。


「結婚はするよ。
でもその相手は瑠璃じゃないと困る。」
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