心と体の距離



その日は仕事で理不尽なことがあったらしく、
いつもよりもだいぶ早いペースで
お酒を流し込んでいた。

案の定、フラフラ千鳥足。


俺の家に連れて帰ろうと提案すると、

悩みもせずついてきやがった。


ほんと、俺は男として見られてないなと思う。


着いてすぐソファに座る小原。

シャワーを勧めても
そのまま目を閉じた。


起こしてやって
メイク落としのシートで拭いてやる。

惚れた弱みってやつ。

シートだって、俺じゃない。
小原が買って置いていったんだ。


少し目が覚めたようで
洗面所に着替えに行った。


しばらくして戻ってくると
「笠原ー、お水飲みたいー。」

と駄々をこねて
笠原が飲ませてと更にワガママ。

「お前ほんと飲みすぎ。
この酔っ払いめ。」

と言いながらも口移しで飲ませて

「もっとー。もっとして。」

駄目だ、スイッチが入った。
俺の理性が振り切れた。

そこから始まった。

久しぶりで気持ち良すぎて止められなかった。

「…あっ!あぁ!かさ、はらっ!」

「名前で呼んでみ?」

俺の思いがこのまま
バレてもいいって思うくらい
気持ちよくて、幸せだった。


「…陽、佑!あぁ!んあぁ!」

「気持ちいい?」

「意地悪、しない、で。」





俺を求める小原。
夢じゃないかと思った。
でも今こうして同じベッドで
気持ちよさそうに眠る姿に
かおがにやけそうになる。




さあここからどうしようか。
どうやって俺のものにしよう。
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