輝きに満ちた世界で


やがて私たちは掃除を始めた。



まだ昇りかけの太陽の下、私は水に濡れて冷えた手に息を吐く。



掃除が終わると花を挿し、蝋燭に火をつけて線香を供える。



買ってきたれーちゃんの好物を並べる。



私は内ポケットから“結城玲奈様へ”と書かれた手紙を出す。



マッチを擦り、手紙に火をつけた。



手紙は地面の上で燃えつきる。



これでどうか、れーちゃんに届きますように。



私は左手に数珠をかけて手を合わせた。

< 246 / 252 >

この作品をシェア

pagetop