輝きに満ちた世界で
「あー、でもさ。
俺的にはデビューしてもらった方が助かるんだよね。」
「は?」
結城が突然訳のわからないことを言い出す。
「監督とか社長に恩売って、これからの仕事優遇してもらうため。
あ、あと俺が学校で質問攻めにされる時間を短くするため。」
結城の口から語られた自分勝手な理由に思わずため息をついた。
「でもさ、俺にデビューしろって言われたら断れなくない?」
「え?」
結城はそう言ってイスの向きを私の方に向けて体勢を低くする。
「ってことでデビューしろよ。」
「は!?しないから!」
私は結城から逃げるように体を黒板の方に向けた。
「へー、じゃあ紫さんのことバラしていいの?俺に3点差で負けた英さん?」
「なっ!それはダメに決まってるでしょう!?」
それだけは阻止しなきゃいけない。