秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
気が付けば裕は健人と同じように教室内でイジられるようになり、次第にそれが激しさを増して行ったそうだ。


「健人って最低」


弘江が顔をしかめてそう言った。


裕側から見ればそうだろう。


でも、ずっとイジメを受けていた健人からすれば、藁にもすがる思いだったに違いない。


ずっと見て見ぬふりをしていたクラスメートに、救いを求めたのだ。


それは責めることのできないことだった。


「へぇ、そんなことがあったんだ」


あたしはそう言いながら今の話をメモした。


裕の表情には強い怒りが籠っている。


この様子なら健人についての秘密をもっと教えてくれそうだ。

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