秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
あたしが怖くてできないことを、敦子はこんなに簡単にできてしまうんだ。


「わかったわかった。確かに昨日はやり過ぎたよ」


敦子の前に立ち、晃彦がそう言った。


ひとまずそう言えば治まるだろうと考えているのが、透けて見えている。


「あれはイジリじゃなくて、ただのイジメ。秘密でもないのにポイントが入るなんて、サイトの運営がズボラな証拠でしょ」


「わかったってば、悪かった。そう怒るなよ敦子」


晃彦は困ったように眉を寄せてそう言った。


心からの謝罪だとは思えないけれど、晃彦からその言葉を聞けたことで教室内の雰囲気が幾分か和らいだ。


3人への恐怖が軽減し、ようやく呼吸ができる感じがした。


敦子もひとまずは気持ちが治まったようで自分の席へと戻って行く。


裕と健人の2人はまだ来ないけれど、この光景を見せてあげたいと感じた。



しばらくは3人とも大人しくしてくれているだろう。


そう思ったのだった。
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