カラフル



「あらあら。機嫌悪そうね、凪。」

電話の相手は友達の亜依からだった。

「亜依ちゃん……。」

「今からお昼、一緒にどーお?」

「うん。今、第3会議室で食べようとしてたの。」

「分かった。すぐ行く。」

凪は返事をして携帯の電源ボタンを押す。

亜依が来たのは凪の予想よりかなり早いものだった。





「……凪さ、元気ないよね。何かあった?」

その言葉が出てきたのはお昼を一緒に食べ始めてすぐの事。

一瞬、反応しそうになるが凪はそれを無理矢理抑えた。

「何もないよ。」

「嘘おっしゃい。顔に書いてあるわよ。
碓氷くんと何かありました、って。」

「え!!」



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