羊だって、変るんです。

「ありがとう。お陰でゆっくりと眠れたよ」

そう言って身なりを整える凱を眺めていた。

『こんな凱みんな知らないんだろうなぁ』

自分が凱にとって特別なんだと思える瞬間だった。

「ん?何?」

「何でもない。それより何か買っていく?」

じろじろ見ていた事が恥ずかしくなり、慌てて話題を変える。

「あぁ、コーヒー飲みたい」

凱を残してそそくさとコンビニに入り、赤くなった顔を一生懸命落ち着かせた。

少し時間がかかったが、コーヒーを飲んでから実家に行った。
< 24 / 172 >

この作品をシェア

pagetop