俺にもっと溺れろよ。



そんな思いと同時に、顔も赤くなる。



ってもう。先輩早く何か言ってくださいよ。





「......可愛すぎ」




「......っえ、」




......今先輩がなんか言った気がするけど、上手く聞き取れなかった。




「今、なんて言いました?」




多分だけど、凄く聞いた方がいい言葉を言った気がする。



「......何も言ってない。



って、予鈴なってんじゃん 」





「えっ、絶対何か言いましたよね?」



うん。絶対何かは言ってましたよ?


ただ、聞き取れなかっただけで。



さ、朔先輩は、




「またな」





また、わたしの頭をポンッとして、教室に戻って行ってしまった。



......っええっ!!





今、私の頭ポンってしたよね?



今日の朔先輩本当になんなの?


いつもと違いすぎて、頭パンクしちゃいそうなんだけど。



って、今朝もしたその理由も結局聞けてないし......。



しかも!さっき聴き逃した言葉も聞けてないし!




なんか、色々と上手くはぐらかされた気がする。



1枚、いやそれ以上に上手な朔先輩。





< 73 / 220 >

この作品をシェア

pagetop