好きになった人は吸血鬼でした。-さくらの血契1-【一人称修正ver.】【完】


思わず声を出してしまった。


すれ違った人がいた。


「れ」


背中しか見えない。でも、


追いかけた。


「………いな、い……?」


その先には誰もいない。


「ま……そだよね……」


こんな偶然で都合よく逢えるわけがない。


そんな物語の中を生きてはいない。


そこに大すきな人がいるなんて。


妄想が見せた幻だろう。


………。


どこにいるの?


淋しく、そう思う。

< 56 / 413 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop