大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「いえ、狙われたのは大王でございます。」

私が言うと、

「俺は自分の身は自分で守れる。
大切なのはアヤだ。」

と言う。


私はしばらく大王に体を預けて、大王の鼓動を感じた後で言った。

「大王、お願いがあります。」

「なんだ?」

「先程の護衛の件ですが…」

「うむ。」

「ハヤがいいです。」

「は!?」

「ハヤは腕が立ちます。
何より、私を守るために全力を尽くしてくれる
でしょう。」

「奴は違う意味で危険ではないか!
それはアヤの頼みでも聞けない。」

「大丈夫です。
ハヤはただの幼馴染に戻ると約束して
くれました。
何より、大王の深いお心には勝てない事を
存じております。」
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