大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「私は、継媛は、大王に似て美しいと思って
おりました。」

私たちは、お互いの顔を見合わせて笑った。

「目も瞳も大きくて、睫毛も長い。
アヤそっくりではないか。」

「鼻筋が通って、涼やかな目元が
大王そっくりではありませんか?」

「色白でふっくらとした頬はアヤだろ?」

「すっきりした眉も少し薄めの唇も大王です
よね?」



「ふふふっ」
「くくっ」


「どちらでも良いな。」

「はい。」

「どちらでも愛しい媛に変わりない。」

「はい。」

「誰のところへ嫁に行くかな?」

「大王のような素敵な方に
見初めてもらえるといいのですが…」

「無理だな。
俺以上の男は、この国にはいない。
だから、継媛は、ずっとここに居ろ。」
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