大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
里帰り
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里帰り

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その日から、私はあまり食べられなくなっていった。

暑い日が続いたせいもあったかもしれない。

どんなにおいしそうな贅沢な食事を出されても、食べたいとは思えない。

胸に何か重しのような物が閊(つか)えて、食べ物が喉を通らない。

「アヤ、少しでも何か食べないと…
ほら、桃なら食べられるだろ?
アヤ、口を開けて。」

大王は左手で私の肩を抱き、右手で小さく開けた私の口に桃をそっと入れる。

「ん、おいしいです。
ありがとうございます。」

私は力なく笑う。

「だったら、ほら、もっと食べろ。」

大王は私に桃を食べさせようと、口元に持ってくる。

だけど、私は3切れ程食べさせてもらうと、もうお腹いっぱいだった。
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