明日も
第一章

部活動見学

私は、この春から晴れて高校生になった、近江 和華。

中学ではバスケ部だったけど、高校では吹奏楽部に入部しようと思う。

このM高校は県大会で金賞が多いらしいけど、その上の大会にはいってないみたい。

それでも私はこの高校に受かったら絶対に入るって決めていた。

中学三年の頃、なんとなく行った学校説明会の時、吹奏楽部が演奏してくれた。

それを見て、「この学校の吹奏楽部に入部したい!」って思った。

その思いを糧に、偏差値も内申も頑張って上げて、ぎりぎり入学できた。

やっと吹奏楽部に入って楽器が吹ける!!

そう喜んで、部活見学中の吹奏楽部のドアの前に立つ。

今流行りのあのJ-popが聞こえる。

少し緊張しつつもドアを開けた。

「あ、1年生?!どうぞ、ここ座って!初心者?」

明るくて優しそうな先輩が、先輩方の吹いているすぐ側に座らして下さる。

「あ、はい。初心者で楽器の名前も全然分からなくて…。」

緊張しながらも答える。

「そうなんだ。初心者でも大歓迎だよ!
あ、因みにこの楽器がトランペット。吹奏楽の花形だよ!かっこいいでしょー。」

その先輩は手に持っている楽器を見せて下さった。

銀色に輝いていて、ものすごくかっこいいって思った。

「じゃあ、今合奏中だから、聴いててね!」

そう言って、その先輩は席に戻る。

先輩方は流行りのJ-popを沢山演奏して下さったあと、「最後に演奏するのは、今年のコンクールで吹く曲です。」

コンクールかぁ。どんなんだろう。

1音目、パーンっとトランペットの音が私の耳に飛び込んだ。

かっこいい…!!

私、トランペット吹きたい!
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