愛されない結婚と愛される不倫
暫くの沈黙のあと、諦めたように流川さんは「いや……僕が帰る」そう言い残し会計を済まして何度も振り返り帰った。
姿が見えなくなって、私は脱力したようにチェアに腰を降ろした。
彼はまた連絡してくるだろう。そのときも、毅然としていられるかどうか……
そのときは……
帰り、店に聞こう。二人のそれぞれの会計を。私の支払い分はそのときに返そうか?
そんなこと、考えながら暫く俯いていた。
ふと、世間が気になった。
私たちの言行は人目についたはずだ。
昂りで気が付かなかった。