難病が教えてくれたこと
各自材料を持参してるし。
私の家ではたこ焼き機。
裕くんはタコ。
蒼空がお菓子とたこ焼き粉。
海澪がトッピング類。
椿と桜がジュース。
茉希と沙良は…ウィンナー?
なんでウィンナー?って思ったけど、始めたら納得出来た。
タコの代わりにウィンナーいれてる。
更には海澪が持ってきたチーズかけてる。
…美味しいのかあれ…
私は膝の上の叶夢にミルクを与えながらその様子を眺める。
「あっつ!あ、でも美味しい…あついあつい!」
…そりゃチーズだもんねえ…
あついと思うよ…
「まあまあ」
「どしたの叶夢。」
「たーあ」
…楽しいのかな?
いつもより人が多くて嬉しいのかもしれないね。
「ぱあーぱあー」
「ん?」
裕くんはたこ焼きを焼きながら叶夢を見る。
叶夢は一生懸命パパを探してキョロキョロ…
でも今裕くんに近づくと危ないから我慢して叶夢。
…それにしても大きくなったねえ…
生まれたてを知ってるから余計かな?
「まあまあ?」
…目元が裕くんに似てる気がする…
「ふぅ…一段落…」
「お疲れ。」
「おう、叶夢〜…」
疲れてたんじゃないのか。
我が子を溺愛しすぎてるんじゃないか?
「裕さーん」
「お?」
「次ウィンナーがいいっす!」
「自分で焼け!!」
蒼空が笑いながら自分で焼いていく。
私は叶夢を軽く抱きながらほっぺをムニムニ…
「李那。」
「ん?」
「腹減ったら言えよ。」
「大丈夫だよ?」
別にお腹空いてないし。
食べようと思えば食べれるだけであって、お腹は空いてないもん。

「ー…李那先輩!お邪魔しました。ありがとうございました!」
「裕先輩、美味しかったです。ありがとうございました!」
一番最初に帰宅して行ったのは椿と桜。
厳しいおうちだからかな。
「…また来てね。」
「いつでも来いよ〜」
「「はい!」」
椿と桜は笑顔で手を振ってまだ明るいうちに帰って行った。
「おーい、李那〜」
「なんだなんだ。」
私は裕くんに車椅子を押してもらい、リビングに戻る。
「凄いぞ、食べると伸びるんだ。」
…食べると伸びる?
ああ。そういうことか。
「そりゃチーズだからね。」
チーズだもん、伸びて当然でしょ。
バカなのか蒼空。
「李那、これ李那の分って言って蒼空が焼いてた。」
…蒼空が焼いたの?
「…」
恐る恐る口に運ぶ。
なんか異様に大きい気がする。
ん?
あれ?
おおお…
そりゃ大きいわ。
タコとウィンナー、チーズが全て入ってる。
これひっくり返すの大変だったろうなあ…
< 165 / 200 >

この作品をシェア

pagetop