なりゆき皇妃の異世界後宮物語
☬女たらしの秦明
 朱熹は牢に閉じ込められ、そして皇帝から正妃にするという勅命が下った。


 その後、秘密裏に牢から出された朱熹は、山奥の寂れた一軒家に幽閉される。


 準備が整うまでと説明されるも、これから何が起こるのか、本当に正妃になるのか不安な日々を過ごすのであった。


 幽閉されてから一週間ほどが経った頃、朱熹は再び秘密裏に移動することになった。


日がとっくりと暮れた不気味な空の下、小さな馬車に乗せられて宮廷を目指す。


(私は一体、これからどうなるのかしら)


 ザワザワとした嫌な胸騒ぎが押し寄せる。


 細い車輪で砂利道を進んでいるため、誰かに肩を掴まれ揺さぶられているように激しく横に動いている。


 運命の歯車は動き出した。


 朱熹はもう、逃げることさえ許されない。


ただ、運命を受け入れるしかない。
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