なりゆき皇妃の異世界後宮物語
(秦明様はひどい勘違いをしている。

心の声が聴けるという能力があるから、陛下は私を正妃にするのに。

でも、嘘を教えられているとはいえ、私のことを心配してくれるなんて優しい人なのね)


 朱熹はこれ以上秦明に心配をかけてはいけないと、無理に笑顔を作った。


「かしこまりました、お兄様。

これから宜しくお願い致します」


 相手の気持ちが分かりすぎてしまうから、朱熹はいつも無理をする。


本当は平気なんかじゃないのに。


 朱熹の笑顔に、秦明はほっとした。

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