ビターなキミと甘い恋を。
教室に着くと、真っ先に飛んできたのは


「愛夢ーーーーーーー!」

「やめてよっ、李憂(りう)!!」


大きな叫び声と、愛夢ちゃんの拒絶の声。


教室中に叫び声を轟かせたのは、愛夢ちゃんの幼なじみである、滝田李憂(たきだ りう)くん。


滝田くんは、クラスのムードメーカーで、
いつも元気いっぱい。スポーツ万能でイケメン。だが、頭は壊滅的。つまり、おバカさん。


「はぁぁぁっ!もう!熱い!」


教室のドアの前で、愛夢ちゃんは滝田くんに抱きつかれている。


私はそれを見ながら、廊下で突っ立っている。


まぁ、これもいつものこと。
羚くんと同じようにね。


「は、離してっっ!もう!邪魔ぁぁ!」


愛夢ちゃんが滝田くんの腕を本気で離そうとしたら、自然と滝田くんも離れる。

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