茜空


意気込んで

おかーちゃんち
まで

舞い戻って
きたけど


いざ
ドアの前に
来たら

アタシ
どきどき
してる

あの男の人
きっと

まだいるよね


入りづらい


おかーちゃん…
アタシさぁ

ホントに

疲れてんだよ…


足が
パンパンで

アタシは
座り込んだ


体も
心も

ふわふわ
してきて


…もう

何も…

考えられないよ…






……ガチャ

夢の中で
鍵が開く音がした


……かえ……ちゃん!


かえちゃん!



あ…

…おかーちゃんだ…


相変わらず

鬼みたいな
黒いネイル
なんだぁ…

着てる
濃い紫の
短いワンピも…

やっぱり
おかーちゃんは

魔女だった
ね……


かえちゃん!
やだ
大丈夫ぅ〜?


うん
平気〜…


頑張っても

脳ミソと
口が

ばらばらに
動いちゃう

…アタシ
寝ぼけてる
らしい…

ふらふら
歩いて

部屋に
入ったら



男の靴は
消えていた



かえちゃんの
ケータイ
繋がんないの
なんでぇ?

おばあちゃんから
さぁ

何回も
電話
来てさぁ

かえちゃんが
行方不明だ
って

大騒ぎしてたん
だけどー

ってか
今日来るん
だったねー

忘れてたし
ごめんねー



おかーちゃんの
言動

やっぱり
苛々
すんだよね

忘れてた?
…さようですか

ごめんねー?
…許すもんですか

苛々も

覚悟して
来たけど

アタシ

これから
夏休み終了
までの
ほぼ3週間

おかーちゃんと
やってけるかなー…
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