たったの3年

古-inishie-

今日もこれから“彼”に会う。

会うっていうか、見る?


彼はミュージシャンをしていて、路上ライブをやっているらしい。



そういえば、ゥチと会った時もギター持ってたっけ?

ゥチは音楽にそんな興味ないんだけどね…


‐‐‐‐‐‐‐‐‐


『♪~辛い、苦しい、悲しい…もう、何もかも投げ出して逃げてしまいたい。そんな俺を誰も拾ってくれない。本当の孤独~♪』


え。なんかすごい人だかり…



‐パチパチ‐


「あ、見といてくれた?」

「あ、うん…」

「そういえば、俺の名前《宮川 哉太》。」

「ゥチ、《波木 優紀》」

「わかった。優紀、どーやった?」

「え、あんまわかんないけど……‥‥・」



その後、会話は続く続く。

宮川といると時間を忘れる。


ゥチらはまだ20歳前なのに、お酒も一緒に呑んだ。

あー。頭痛い。

眠い。


あ、宮川寝ちゃった。

どーしよかなあ。


「うーん…」

「……ゅき…すきゃ………」


は。なんだこの状況…

ゥチの目の前には、宮川の顔と天井。


「好きや。好きや。愛しいわ。」


………やっぱり体目当てじゃん。

他人(ヒト)を信じちゃいけない。

信じたゥチが馬鹿だった。


「あ、ゴメンな。泣いてるやん。自分。」

「知らない。謝るぐらいなら最初からヤらないで」

「せやな。酔ってたわ。」


酔ってた?酔ったらなんでもするヤツなんだ。



帰る。と言うと宮川は「帰る家あれへんねやろ?」と言った。

反論できない自分が嫌。

ソファーで寝る。アカンやろ。いいの。わかったわ。

たった13文字。でも、何分かかった事か。
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