甘い恋は復讐の後で
【ハスはhass。
 ドイツ語で憎しみって意味なんだ。
 ボクはそんなハンドルネームをつけるようなふざけたヤツなんだよ。
 ゴメンね。】

 ふざけたって………そんな人じゃない。

 携帯を握り締めるとアパートを飛び出した。
 外は今にも雨が降り出しそうな怪しい雲行きで急いでBar Crazyへ向かった。

 まだ夕方の6時過ぎ。
 お客は来ていない店内を見渡すとマスターと目が合って微笑まれた。

 思えばここへ来るのはもう随分と久しぶりだ。

「いらっしゃい。」

 その声に応えることも出来なくて視線は店内を彷徨った。

「どうされました?
 残念ながら今日、伶央くんはいませんよ?」

 マスターの声に肩を落としてお店から出て行こうとして、急いで質問した。


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