甘い恋は復讐の後で
【キミは汚れてなんかいない。
 そんな男はカウントしなくていい。
 だから今までみたいに胸を張っていて。】

 優しい………。

 さっきまでの荒れた気持ちはゆっくりと穏やかになってトクトクと自分の鼓動を感じられた。

 ハス様に聞いてもらえて良かった。
 そんなことを思っていると下にはまだ続きがあった。

【ボクがキミの側にいけるのなら今すぐにでも抱き締めたい。
 抱き締めてキミの本当のファーストキスをもらいたい。
 優しくキスをして何もかも忘れさせてあげるのに。】

「うわーうわーうわー。」

 小さく喚いて部屋を意味もなくグルグル回る。
 どんどん熱くなる顔を両手で押さえた。

 夢と現実が混ざって本当みたいで。

 動揺している私の元にまたメッセージが届いた。

【ごめん。さっきのは削除して。】

【どうしてですか?嘘だから?】

【……違うよ。ただ、考えなしだった。
 これじゃただのセクハラジジイだ。】

 フッと笑う。
 さっきまで沈んでいたのにハス様はやっぱりすごい。

 それに………。
 このメッセージはなんだか伶央さんっぽい。
 たまに髪をクシャッとさせる伶央さんが脳裏に浮かぶ。

 と、いうよりもハス様は伶央さんなんだから………。

 そう考えると最初のメッセージが………!
 頭はオーバーフローして顔が熱くて堪らなかった。


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