甘い恋は復讐の後で
心を落ち着かせようと自販機で買うのはグレープフルーツジュース。
朝、寝ぼけ眼で伶央さんが飲んでいたのと同じもの。
寝ぼけてるのも可愛いし「グレープフルーツジュース好きなんですか?」の質問に「ん、スキ」と答えた伶央さんが、もう!!
一口飲んでみると甘過ぎなくて爽やかな酸味の後に微かな苦味。
ジュースなのに大人な味がして、一つまた伶央さんのことが知れた気がした。
やっと気持ちが落ち着いた頃に大谷くんの姿が見えて慌てて逃げようとすると頭を下げられた。
「ごめん。この前は。
もうあんなことしないよ。
だから逃げないで。」
……本当かな。
眉を寄せる大谷くんに少しだけ気を許して逃げようと浮かせた腰を下ろした。
大谷くんはコーヒーを買いながら質問を投げた。
「松永さんの彼氏は黒田さんなの?
あの人、恋人いるでしょ?」
「え………。」
「さっきの電話も黒田さんでしょ?
バレバレだよ。」
苦笑する大谷くんに上手く返せない。
「それは……。」
黒田さんとはそんなんじゃと否定することも忘れ、呆然と大谷くんの話を聞いた。
朝、寝ぼけ眼で伶央さんが飲んでいたのと同じもの。
寝ぼけてるのも可愛いし「グレープフルーツジュース好きなんですか?」の質問に「ん、スキ」と答えた伶央さんが、もう!!
一口飲んでみると甘過ぎなくて爽やかな酸味の後に微かな苦味。
ジュースなのに大人な味がして、一つまた伶央さんのことが知れた気がした。
やっと気持ちが落ち着いた頃に大谷くんの姿が見えて慌てて逃げようとすると頭を下げられた。
「ごめん。この前は。
もうあんなことしないよ。
だから逃げないで。」
……本当かな。
眉を寄せる大谷くんに少しだけ気を許して逃げようと浮かせた腰を下ろした。
大谷くんはコーヒーを買いながら質問を投げた。
「松永さんの彼氏は黒田さんなの?
あの人、恋人いるでしょ?」
「え………。」
「さっきの電話も黒田さんでしょ?
バレバレだよ。」
苦笑する大谷くんに上手く返せない。
「それは……。」
黒田さんとはそんなんじゃと否定することも忘れ、呆然と大谷くんの話を聞いた。