甘い恋は復讐の後で
20.甘い恋…?
「困った時は相談したくなるんです。
 ハス様は私の心の支えなので。」

「ハッ。面白くない。」

 伶央さんはカウンターから私の元へと歩み寄った。
 そして私のすぐ隣のソファに腰を下ろす。

「俺と一緒にいるのに他の男に相談?」

 拗ねたような、けれど甘い声色に戸惑う。

「他………って。
 だって伶央さん、ですよね?ハス様は。」

「……ッ。あんなの俺じゃない。」

 急に不貞腐れてしまった彼は顔を背けて座り直した。
 近過ぎる距離は未だに緊張して仕方ないけれど、こういう、近いのに心の距離を感じる雰囲気も嫌だ。

 伶央さんは私に距離がどうって言うけれど、伶央さんこそ距離がどうかしてる。

 そのことについては後日、追及するとして今は早急にこの不穏な空気をどうにかしたい!

「伶央さん?」

 1人掛けソファから立ち上がって伶央さんの様子を伺う。

 不意に腕を引かれて体がよろめいた。

 視界に一瞬、いたずらっぽい顔をした伶央さんの顔が映った。
 え?と思ったのも束の間。
 体はすっぽりと伶央さんの腕の中に収まった。

 伶央さんからはウッディな香りがして否が応でも鼓動が速まる。

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