甘い恋は復讐の後で
 手を洗い、鏡を見つめると先程よりは冷静になれた。

 温情をかけてやることなんてなかったんだ。
 幸せそうなメッセージに我に返る思いだった。
 どうしてこいつだけ、こいつらだけ幸せなのか。

 フツフツと沸き上がる憎しみに拳を握り締める。

 あいつが……あいつの兄貴がのうのうと生きていることを後悔させてやる。

 フッ。と、おかしくて息が漏れた。

 可愛いウサギちゃん。
 楽しんでいられるのも今のうちだよ?
 さぁ今日からウサギ狩りだ。

 口の端を上げ、送ることのないメッセージを心の中に浮かべた。











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