甘い恋は復讐の後で
 とうとうイカレちまったのか!!

 俺の動揺を知る由もない莉緒は至って普通にパジャマだけ脱ぐと再び横になって布団に包まった。

 あぁ……水を飲む時に濡れたから気持ち悪かったんだな。

 納得しつつも俺を呼び止める必要はあったのか?と苛立って頭を掻きむしると今度こそ玄関に足を向けた。

 眠ったような莉緒にギリギリの理性を抱えてアパートを出た。

 鍵を閉め、鍵はポストから中へ入れてトリックさながらにその辺にあった紐を使って置いてあった棚に収まるように。

 俺って天才。

 自画自賛しつつドアにもたれかかった。

 夢と思っていてくれた方がいい。
 僅かでもあいつが覚えていても意地でも夢だと思わせてやる。

 固い決意をして今度こそ家路を急いだ。


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