愛を私の音色に乗せて。

秘密の秘密。





「紫ぃ音ぉ〜」

めっちゃ誰かに呼ばれてるんだけど。
夢?

「紫ー音!」

…じゃない。

「うぁっ!?」

目を開けるとちぃ君の顔が目の前にあって
昨日のことを思い出した

「おはよう紫音」

「お、おはようございます…」

王子様スマイルでこっちを見ている
本当、綺麗な顔だよね。

「どうかした?
あ、おはようのチューでもしとく?」

「しませんから…!」

「遠慮しなくてもいいのに〜
まぁいいや!今日はしないけど、いつかするし〜」

「…は」

「昨日言ったでしょ?愛情表現爆発させるからって」


そうだ昨日。

「俺のお姫様はずっと紫音だけだよ。
一回も忘れられなかったし、諦められなかった。

紫音が今でも俺を好きだなんて思ってないけど、もし今…好きな人…とか彼氏とか、いないんだったら

俺にチャンスちょうだい?」

なんて言われたんだった。
本当に少女漫画すぎて、頭の中ぐちゃぐちゃだったけど、

考えたところで、恋愛経験の少ない私には理解不能だと結論づいた。

「だから隙あらばキスしに行くからね」

好きって…どこまで行けば好きになるんだろう?

昔ちぃ君から貰った手紙、たまに読むと元気が出るし、
何も言わずに転校しといて何だけど、私の事ずっと覚えててくれたらなぁってずっと思ってた。

そんな時間が長すぎて、これがちぃ君への恋心なのかもわからなくなっちゃったのかな。

この人は、私がそんなこと考えてるとか知らないんだろうなぁ…


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