Bloody Kiss♡


「最後に一つだけ、あたしのお願い聞いてよ。平和のために頑張ったんやから。聞いてくれたら素直に帰る。」


果樹園の白の空間で、マリィは言っていた。

窮地を救ってくれるって‥。

今がその時だから‥。


「飲んで。あたしを忘れない薬だって、マリィが言ってた。」


あたしは、嘘をついた。


「こんな物、飲まなくても忘れねーよ。」


呟きながらも疑うことなく、セトは小鬢からコルク栓を抜いた。

そして、中の液体をゴクンと飲み干した。


マリィから貰った魔法の水は、とても強力だったみたい。


セトは、ちょっぴりsexyな声で訊いたんだ。

「ロナ。オレの全てを知ってて、それでもオレを愛せる?」


「うん!勿論♪」


あたしは babypinkのロザリオを拾い上げ、彼の胸に飛び込んだ。

瞬間、全身が浮遊感に包まれた。

最後に見たホルスは、笑顔で手を振っていた。


 
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