Bloody Kiss♡
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「な、ロナ。エジプト神話って知ってる?」
「エジプト‥?なにそれ。」
中学二年生の秋だった。
昼休みに七海と話していたんだ。
窓際の席、一つの机を挟み、向かい合わせに座って話していた。
内気な彼は男の子達と一緒に行動することが少なくて、昼休みになると、いつも あたしの席に来ていた。
「神話。神様の話。」
「歴史とか神話とか興味無いもん。分からん。」
話の内容には、全く興味を持てなかった。
けれど、瞳を輝かせて話す七海の表情がすきだった。