死神の恋
6.ダンスへの思い

いつも真美と待ち合わせをしているどんぐり公園を今日は素通りする。今の時刻は午前八時。すでにダンス部の朝練習が始まっている時間だ。

昨日、佐伯のおばあちゃんのお通夜の後、私は真美とケンカをした。

「昨日はごめんね」と謝れば、真美とすぐに仲直りできるはず。でもなにを謝ればいいのかわからない。

真美と顔を合わせるのが気まずくて、朝練習をサボった私はひとりで学校に向かった。



教室に入ると自分の席に着く。トクトクと心拍数が上がってしまうのは、真美に朝練習をサボったことを注意されるのではないかと思っているから。けれど一時間目が終わっても、昼休みになっても、真美は私の教室に姿を現さなかった。



結局、真美と会わないまま放課後を迎えてしまった。同じ学校に通っていながら、一日顔を合わせなかったのは今日が初めて。

私、真美に嫌われちゃったのかもしれない……。

真美との距離を感じた私は、帰りのホームルームが終わると一目散に家に帰った。

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