秘密の恋は突然に!!
「優兄、結愛姉ちゃんも反省してるみたいだし、許してあげたら。」


私が顔を上げると、優はため息をついた。


「…心配なんだよ、言わなくても分かれよ。」


まるで、危ないことを危ないと知らない小さな子どもを叱っているみたいに。


優は心底心配そうな顔で、私の頭をそっと撫でた。


「悪かったな、痛かっただろ。でこ赤くなってる。後で、保健室行くか?」


「大丈夫。ほんとにごめんね。」


「もういいよ、俺も言い過ぎた。お前を泣かせたい訳じゃないんだ。」


そう言うと、優は最後に頭をポンポンと撫でた。


ちょっとした騒ぎの中心にいたことに気付いた優は、周りの生徒にいつもの会長の顔になりその場を納めた。


「皆さん、お騒がせしてすみません。クラスを確認した生徒は、速やかに教室へ向かうようにしてください。」


幸いにも、まだ登校している生徒は少なく、野次馬となっていた生徒たちも、順に優の指示に従って靴箱へ散らばった。

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