上司にプロポーズされて困ってます


私はドアに背を向けて、ガッチリ課長の腕の中に閉じ込められたまま動けない。

怖くて振り返ることすら出来ない。

「「し、失礼しましたー!!」」

二人の男の人の声が響く。

そのままドアはバタンと閉まった。

み、見られた!!

がっつり抱き合っているところを!!

私は後ろ姿とはいえ、課長の顔はバッチリ二人に目撃されたに違いない。

神様、どうか、知らない人たちでありますように!!

「あのっ、だ、大丈夫でしょうか?」

慌てふためく私とは正反対に、課長はとても落ち着いている。

「あぁ、大丈夫だ。部下たちだった」

「……はい?」

部下たちだった……?

つまりは、営業第一課の人たち……?

「……」

「だ、大丈夫じゃないじゃないですかー!!」

< 18 / 20 >

この作品をシェア

pagetop