上司にプロポーズされて困ってます
それでも口から嗚咽が漏れる。
「うっ、うっ」
みっともないことはわかっているけれど、嗚咽は止まらない。
「柴本さん……」
課長がフッと笑った気がした。
それと同時に私は課長の腕の中に閉じ込められた。
フワッと優しく包み込まれている。
驚きのあまり、嗚咽は止まったけれど、身体が固まって動けない。
嫌なら突き飛ばせばいいのに、全然嫌じゃない。
むしろ心地好くて安心してしまう。
はしたなくも、もっと強く抱き締めてほしいと思ってしまい、一気に体温が急上昇する。
途端に恥ずかしさでいっぱいになる。
よくよく考えれば、始業前とはいえ、ここは社内。
恋人ならまだしも、付き合ってもいない男の人、しかも上司に抱き締められているという状況に気づき、身体をよじってみた。