きっと夢で終わらない
「自分は本当はこうだけど、みんなにとっては違うみたいって思うことない? 今の八城さんだったら、八城さんは八城さんで自分の道を決めているのに、周りの生徒はそれをよく思っていないでしょ? そういうこととかね」


私立進学校の授業料はバカにならない。
でも、就職を決めたのは、何も考えずにただ言葉を出したわけではない。
勉強がしたくないとか、そんな理由で「逃げ」ているんじゃない。
きちんと自分の中で、決めたことだった。



「だからいいのよ。八城さんはそのままで。でも、みんなもまだ八城さんを気にしないことができるくらい大人じゃないから、我慢してあげて。彼らも彼らなりに未来を追って、一生懸命なのよ。いくらでもここに来ていいから、ね」


終着点はそこだった。
教室で何となく浮いている私は、みんなの心を乱す存在。
そんな私に、居場所を提供してくれる、花純先生。


正直ホッとした。弘海先輩は私との約束をちゃんと守ってくれている。
花純先生はあくまで、今までの経験と私の学校での振る舞いから、そう言っているのだということがわかった。
私は意図も汲んで頷くと、花純先生は安心したように笑って、再び箸を取った。
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