空からの涙
「私は結局、和君に迷惑かけちゃったね……」

「柚姫…違うよ?…柚姫は俺の彼女だから…迷惑かけていいんだよ。」

柚姫が言ったことなら俺は何でもしてあげたい。………そう思う。

「……うん。」

涙を拭いて頷いてくれた。

俺の言ったことが少しでも柚姫に伝わってて、これからズット柚姫が俺を頼ってくれたら、俺は嬉しい。

「じゃあ、柚姫……帰ろ?」

「うん……。」

柚姫がうつむいたまま。

「どうした?」

「いや……これで帰るんだ…って思って」

柚姫はそう言って俺が貸した学ランの裾を下に引っ張った。

「短いって事?」

「うん。見えちゃうな…って」

「じゃあ下も貸そっか?俺、警察に捕まるけど…」

当たり前だ。下パンツ一丁で外を歩いてたら変態だ。

「いいですッ!見えても平気♪」

俺が嫌なんですけどー。他の奴に足とか見せてんのもホントに嫌なんですけどー。

「行こーよ。」

「まった、柚姫。やっぱ下、持ってきてもらお?」

「……何で?」

「その……ねっ…」

「和君が教えてくれないなら私先行く。」

柚姫はドアに向かってあるいって行っちゃうから俺は急いで追いかけた。
「見せたくない。」

「何を?」

「……柚姫を…。他の奴に柚姫のそーゆ姿見せたくない。」

俺は赤い。こんなこと言ったことねぇし。すっげぇ恥ずい……。

「和君…。」

少し顔を上げた柚姫と目が会う前に……

「見るな…。」

柚姫を抱き締めて……

赤くなった顔を隠した。


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