オレンジ色のグラウンド
あの日と同じように

夕焼けに透ける先輩の髪。



夕陽が広いグラウンドのすべてをオレンジ色に染め上げ、やさしく包む。





将来の夢は、まだ見つからない。

でも、小さな目標はいくつか見つけた。





ひとつめは

今年の夏に南米へ一週間の旅にいくという先輩の弾丸ツアーの冒険に、一緒に行くこと。


そのために、ずっとバイトもがんばった。







先輩との関係は、今のところ私の片思い。

だけど友達以上ではあると思うんだ…






私のもうひとつの目標

それは……






オレンジのグラウンドの中、先輩が走ってくる。




「パスポートの準備はできた?」

「はい!ばっちりです」

「はは、本当についてくるんだ?」

「もちろんです!」





先輩は優しい笑顔で私の頭にポンと手を乗せ、また走っていく。







私は……

先輩ともう一歩先の関係になりたいよ。






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