オレンジ色のグラウンド
神田外語大学



親に一緒にきてもらったけど

私は特に英語が好きでも得意でもない。




そんな奴なのに……

“外語大学”を選ぶ資格はないって思った。


 



キラキラしている大学生たちは

目標に向かって堂々と前を向いているように見えた。




こんな中に、とても私は溶け込めないよ……





オープンキャンパスにきて、ますます焦りと劣等感が増す。





私は自分のことが分からない

特別なものも、持っていない。





なのに時間は迫ってくる。

将来の進路を決めないといけない。





不安と焦りで潰れそうな私は、キャンパスから出て外の空気を吸い込む。





目の前に広がる、大きな人工芝のグラウンド。







見上げた空は大きな夕焼け空で

こんなちっぽけな私をオレンジ色に染めて隠してくれる。





気付くと私は、泣いていた。

ただ、もうどうしていいのかわからなくて。







< 3 / 11 >

この作品をシェア

pagetop