ダンデライオンの揺れる頃
ああ。神様……。

あまりの痛みに、少女は神に祈った。

もともと神の存在など、信じてはいなかったが、何かにすがらずにはいられない痛みだった。

少女は、脂汗を流して、地面にはいつくばった。

せっかく、何かがわかりかけたのに、これでは、だいなしだった。

あるいは、このまま死ぬのかもしれないとさえ、思った。


そして、そのまま少女は、闇の中にひきずり込まれるように、気絶した。
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