先生を好きな理由は必要ですか?
–––ピピピッ ピピピッ

「んあ〜もう朝ぁ〜?」

時計を見たら8時。
遅刻する!!
一緒に通学している杏奈にメールした。
すると即座に返信。

「私も遅れる。゚(゚^ω^゚)゚。」

お分かりでしょうか。
私と杏奈は遅刻常習犯。
ほぼ毎日遅刻している。
遅刻なのに学校近くのコンビニで
お昼御飯を買ってから学校に入る。
今日もいつも通りの朝を迎えた私。

8時30分。
待ち合わせの駅で杏奈と会う。

「綾華おはよー!今日テスト返却だね〜
今回の化学やばくなかった?」

「おはよ!化学は赤点覚悟だね(笑)」

「それな。てか綾華、杉下先生とは
どうなったの?」

「どうなったって…どうもないよ。
消しゴム借りたの返そうとは思うけど。」

「今日杉下先生、確か1限目じゃなかった?」

「え、うそ?!急がなきゃ!」

私と杏奈は走って学校へ向かった。


9時。
教室から杉下先生の声がする。
私と杏奈は後ろのドアからそーっと入ると、
杉下先生は私たちを見て

「おはよう!」

と声をかけてきた。
そしてみんなに振り向かれた。
そーっと入った意味がなくなった。

私と杏奈は席に着くと杉下先生が
こちらへ歩いてきた。

「橋本さん、頑張ったね。」

と言われ、テストを返却された。
点数は60点。

60点で、頑張ったとはどういうことだろう?
馬鹿にされているのか、はたまた
授業を聞いていないのにこの点数は
高いというのか。

教卓に戻った杉下先生。

「今回のテストの平均点は76点。
ちなみに4クラス中、このクラスは
2番目だったぞ。」

周りの生徒がざわつく。

「2番目ならいい方じゃね?」
「うちら理系だけど一番頭いい
クラスでしょ?なら1番じゃないと!」

そう、私の学年は4クラスあって
私のクラスだけ理系。
あとは文系のクラスなのだ。
だから他のクラスと比べて、
国語の授業は少ない。
そして理系脳なので文系は苦手な生徒が
多いのだ。

ちなみに私は、
完全なる文系脳の持ち主。理系は苦手だ。
どうして理系に進んだのかって?
それには理由(わけ)がある。

< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop