先生を好きな理由は必要ですか?
私にもう居場所は無い。
彼氏も友達もいない。

カンカンカンカン–––

不思議と、踏切の音がよく聞こえた。

ガタンゴトン ガタンゴトン

電車が走る音がした。

私は家を出て、引き寄せられるように
踏切まで歩いた。
線路の手前で走る電車を眺めながら、
どうすれば楽になれるのか考えた。

誰からも必要とされない私は
もう無理に生きなくていいのでは…?
線路の上に立っていれば
楽になれるんだ!
と思い付いて、線路の上に立ち、
電車を待った。

すると踏切の音ではなく、
携帯が鳴る音がした。

「もしもし…」

「夜ご飯だよ!あんたどこにいるの?」

お母さんからだった。
最期にお母さんのご飯を食べてからでも
遅くない。
そう思い、私は一旦家に帰った。
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