これは雨の物語

シラユキ





『シラユキ side』




「これ街で見つけたの。開けてみて」


街から帰ってきたバニラから何やら丸くて薄いものを渡される

開けてみて…?どうやって開けるんだ


バニラのほうを見てみると、あ、そっかと言ってこれを取り上げられる


「これは手鏡っていってね、自分が写るんだよ。見た目とかチェックできるの。こうやって、開けてね」


再び手鏡とやらが手元に戻ってきた


自分が写るの想像がつかなくて、少し楽しみな気持ちで開けてみる

そこには…


「……っ!!!」


「シラユキ!!?」


思わず手鏡を投げてしまった

手鏡の中には知らない人間がいた


「こ、これは…誰…?」


「まさか…自分の顔を見たことないの?」


自分の顔を見る…そんなこと今まで一度も考えたことがなかった


「これは、僕、なの?」


「ふふっ、そうよ。落ち着いてもう一回見てみたら?」


手鏡を拾いもう一度開ける



真っ白な髪の毛。薄緑の瞳。

これが…僕の顔なのか…



バニラと顔の比較をしてみた

バニラは金色の髪。茶色の瞳。


目はバニラの方が大きいな

鼻もすっとしていて綺麗だ


唇は僕の方が薄いかな

バニラの唇はぷっくりとしていて可愛らしい


すごい、人間って、顔が違うのか


地上に出て一番の発見かもしれない





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