夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

(2)


翌日ーー。
天気は快晴。
頭上には雲一つない青空が広がっていた。

間も無く冬。砂浜に吹く海風は冷たいけれど、今日は横に目を向ければアカリさんが居る。
目が合えば自然と微笑み合える相手が居る。
それだけで、寒さなんてどうでもよくなった。

素顔を隠して、いつも俯いていた僕がほんの少し変われた。
空の美しさを知った。
誰かと微笑み合える事がこんなにも嬉しい事だと知った。
世界には色んな景色があって、色があって、こんなに綺麗だと知った。


アカリさんに逢えて、好きなものが増えた。
教えてくれた君に、きっと何度言っても足りないくらいに湧き上がってくる"ありがとう"。

それを直接伝えられて、相手から笑顔が返ってくる事。
とても大切で掛け替えのない瞬間なんだって、僕は知る事が出来たんだ。

彼女から短い時間でもらったものは、抱え切れない程大きな宝物で……。
僕をどんな時も、強くしてくれた。
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