恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜
「え?食べないのー?昨日あんなにカレー食べたいって言ってたのに」
お母さんの残念そうな声をよそに、お母さんを無視して部屋に直行する。
何とか駅に着くまでに涙を拭いて、家に着いた。
明るい部屋にいたくなくて、暗いまま制服でベットに寝転がる。
体全身がぎゅううっと締め付けられるように苦しくて。
体をかばうように抱きしめながら考えた。
なんで、私こんなに苦しいんだろう。
だってこの間まで、平野先輩のこと忘れられなくて、平野先輩が彼女とうまくいっていない理由なんて元カノだった先輩だって分かってるのに、
私だったらなんて、最低なこと考えてたのに。
違う。
この苦しさは、この苦しさの源は、
山下くんの親切を心のどこかで、
私への好意だと勘違いしてたからだ。
山下くんは私のことが好きなのかもしれないって、
このまま、山下くんの好意を受け取ったら、
平野先輩のこと忘れられるかもしれないって
心のどこかで思ってたからだ。
だから、こんなに苦しいんだ。