恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜


案の定遅刻ギリギリで受けた数学のテストは最初の問題以外ほとんどが勘になってしまった。


これ多分、過去最低点だろうな、、


これじゃ国立大学は無理だな。

うん、無理無理!
私には英語があるから私立いこ。決めたわ。


そんな最低な実力テストの最中に私はある発見をしてしまった。

半分諦めながら、数学の回答用紙にうろ覚えの公式にそれらしい数字を当てはめていた。



だめだ!分かんなすぎる
分かんなくてだんだん眠くなってくるよ、


一応一通り書いてはいるものの合ってる気がしない

ふと時計を確認しようと顔を上げると、
山下くんの背中が視界に入った。

パチンッ!

私の中で何かがシャボン玉みたいに弾けて、

時間が止まった感覚。



なんとも言えない初めての感覚に戸惑った。

だって、
山下くんの背中が金色に輝いて見えたから。

山下くんが集中して問題を解いている背中。

その背中を見ているだけでふわふわした
あったかい気分になる。


それからは全然テストに集中できなくて、
回答の見直しも出来なかった。

そもそもうろ覚えの公式を見直ししたところで、迷いが生まれるだけだから、諦めてた所もあるんだけどね。

でもこの諦めがあんなことになるなんて……

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