恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜
歩き始める男子を横目に
もう一回心の中で気合を入れ直して、
更にダッシュする。
プロは違うのよ、最後の最後まで手を抜かないの。
走ってると門が見えてきて
最後のラストスパート!!!
チャイムの音が聞こえるのと同時に門をくぐった。
よかった!間に合った!セーフ!
ほっと胸をなでおろしたところで、
私の目の前に日本史の岡田先生が
立っているのに気がついた。
「おはようございまーす!」
全力の挨拶と笑顔とスピードで
スルーしようとすると、
「おいおい!またかー遅刻女王山本!」
「先生!すいません、急いでるので」
「今、スルーして無理矢理突破しようとしただろ」
進めていた足を止めて振り返る。
「いやいや、本当に!そんなことないですよ!
ただ、」
「なんだ?遅刻の言い訳か?言ってみろ!」
「お母さんのご飯が美味しくって」
よくこんな微妙な言い訳思いつくな!
自分でも呆れるわ!
「よくそんな理由思いつくな、クラス発表もう終わってるから急いで行けよ」
「はーい」