恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜
昼休み、
「おーい!佳奈子ー?聴いてる?」
「へ??!なに?!」
「さっきから同じ玉子焼きお弁当から出し入れしてるよ」
玲奈に言われてお弁当を見ると、
全然お弁当が減っていなかった。
「どしたの?なんか変だよ?」
美希も心配してくれる。
「あー、なんか食欲なくて〜
早めの五月病かな」
「五月病て、早すぎでしょ」
「そういえば、玲奈、たっくんとお昼食べないの?」
すると玲奈と美希の顔がこわばった
ん?
なんかダメなこと聞いたかな
「今日は何となくお二人さんと一緒に食べたい気分なの」
「玲奈ちゅゎん〜大好きよぉ〜」
なんて言いながら美希が玲奈に抱きつく
「暑苦しいからやめて」
冷静に嫌がってる玲奈とふざける美希を見てると
なんだかいつもの感じを取り戻せる気がする
ん?
なんとなく後ろからの視線を感じて振り返ると
教室の反対側から
山下くんがこっちを見ていた
目があうと、
みるみる山下くんが笑顔になった。
なんでかは分からないけれど、
山下くんの眩しい笑顔に目をそらせなくなる。
あのテストの時みたいに山下くんだけがキラキラ光っていて。
山下くんの笑顔が、
季節ハズレの向日葵みたいに
私の中に溜まっていたモヤモヤを吹き飛ばした。