恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜
私は全然知らなかった。
テーブルに残された玲奈と美希が
こんな話をしていたなんて。
「協力するって言ったけど、
佳奈子の情報全然聞き出せないね」
美希は飲みかけのアイスティーを
ストローで吸いながら残念そうに言った。
「あの子、なんでも抱え込んじゃう子だからね。
なーんにも言わなかったじゃん、昨日のこととか」
「私、佳奈子と山下くん良いと思うけどな」
「ねー、山下くん行動力あるよねー」
「私も先輩の友達に協力してもらおうかな」
「吹奏楽部の2年ほぼ全員が美希に協力してるじゃん、そう考えたら美希の方が凄いな」
「えへへ〜そうかなぁ〜」
「美希はそろそろ告白した方がいいんじゃない?」
「先輩今受験と部活忙しそうだから邪魔したくないよー」
「へぇぇ、まぁ、後悔しないようにね、
鉄と恋は熱いうちに打てって言うし!」
「なにそれ?聞いたことない誰の名言?」
「え?あたし」