恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜


私は全然知らなかった。


テーブルに残された玲奈と美希が
こんな話をしていたなんて。



「協力するって言ったけど、
佳奈子の情報全然聞き出せないね」


美希は飲みかけのアイスティーを
ストローで吸いながら残念そうに言った。


「あの子、なんでも抱え込んじゃう子だからね。
なーんにも言わなかったじゃん、昨日のこととか」

「私、佳奈子と山下くん良いと思うけどな」

「ねー、山下くん行動力あるよねー」

「私も先輩の友達に協力してもらおうかな」

「吹奏楽部の2年ほぼ全員が美希に協力してるじゃん、そう考えたら美希の方が凄いな」

「えへへ〜そうかなぁ〜」

「美希はそろそろ告白した方がいいんじゃない?」

「先輩今受験と部活忙しそうだから邪魔したくないよー」

「へぇぇ、まぁ、後悔しないようにね、
鉄と恋は熱いうちに打てって言うし!」

「なにそれ?聞いたことない誰の名言?」

「え?あたし」


< 61 / 167 >

この作品をシェア

pagetop