俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡


振り返りたくはなかった。


だって...わたしの瞳からは、涙が溢れ落ちそうだから......。


「勝手だよ、洸......っ

忘れられなくなるようなこと、散々しておいて...っ忘れろだなんて......ッ」


それなら最初から、洸の本性なんて知りたくなかった。


こんなに苦しくなるなら...

王子様の洸にただただ憧れていたかった。


「...ッ洸なんか、カナダでもどこにでも行っちゃえ...っ!!」


わたしはカバンを手に持って、教室から飛び出した。


廊下を走り出した。


洸は追いかけてくれなかった。


洸を好きになんて...


なりたくなかった。

< 120 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop